2010
港町に一軒だけあるパーマ屋「野ばら」。子供を連れて出戻ってきた一人娘と同級生、常連客らのエピソードを通して、男に愛想を尽かしながらも男に依存せざるを得ない女たちの、一見悲惨だがどこか可笑しく逞しい人生観を描く。
2011
「週刊東都」の新米記者、沢田は新左翼運動への取材を通じて活動家たちに共感を抱きながらも、ジャーナリストとして客観性を保たなければならない立場との間に葛藤する日々を送っていた。1971年のある日、彼の所に活動家を名乗る梅山という青年が接触してくる。自分は「京西安保」の幹部であり、武装決起を起こすなどと語るその言葉は、いずれも真偽定かならぬものがあったが、宮沢賢治を愛読し、CCRの『雨を見たかい』をギターでつま弾く姿に、沢田は親近感を覚えていく。やがて梅山は学生仲間を引き込んで「赤邦軍」なる組織を作ると、自衛隊基地を襲撃して武器を奪うという計画を立てる。計画を明かされた沢田は自分に独占取材させてくれと頼み、事件に巻き込まれていくことになる。
2010
突然の還暦の恋を迎えた叔母・トバちゃんが旅に出てしまい、一人暮しになった35歳の独身女性・島田ルイ。彼女の家に突然上がり込んだのは、2人の独身男性、初老のトニーさんと年下の康介。唯一の共通点はスープ好きという2人との、家族でも恋人でもない奇妙な共同生活が始まった。
2011
両親の離婚により鹿児島県と福岡県で離ればなれに暮らす小学校6年生の兄、航一と4年生の弟、龍之介。いつかまた家族4人で暮らしたいと願う2人の兄弟は、九州新幹線が全線開業する日の朝、鹿児島から福岡に向かう新幹線「つばめ」と福岡から鹿児島に向かう「さくら」が初めてすれ違ったときに願い事が叶うという噂を耳にする。そして、2人は周りの大人を巻き込んで計画を立て始める。
2010
両側を海に挟まれた北国の小さな砂洲の街・海炭市。職を失い、ひっそりと身を寄せるように暮らす若い兄妹。娘の出産を待ちながら、造船所のある町まで市電を運転する初老の運転士。両親が住むこの町に移り住むためやってきた妻子持ちの男は、みぞれ降るなかを引っ越し荷物の到着をひたすら待ち続ける……。架空の地方都市に生きる若者の屈折した青春の姿、一筋の光を求めて暮らす家族の再生を描き出す。
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